語学で活きる

日・英・中・印尼語を活用し、乱世を生き抜く凡人の備忘録

日本国内で英語のスピーキングを向上させるための5つのマインド

先日、友人から英語のスピーキングに関する質問を受けました。

「海外留学をしなくても、日本国内で英語のスピーキング能力を向上させることは可能か?」というのがその質問の内容でした。

私は「うん、できる」と答えました。

国内にいても、スピーキングスキルを向上させることはできます。

もともと私は、海外に行かなければスピーキングの能力は向上しないと考えていました。

しかし、多くの英語を話す日本人と出会ううちに、私の考え方は変わりました。

実際、海外経験がほとんどないにも関わらず、日本国内で英会話のスピーキング能力を伸ばし、商談やプレゼン、さらには会食の席で自信を持って英語を話し、欧米のネイティブスピーカーを含む海外の人々とスムーズにコミュニケーションをとることができる日本人に出会っています。

そのような人々に会うたびに、「彼らはどのようにして英語のスピーキングを磨いたのだろうか?」と疑問に思っていました。

話を聞いてみると、勉強方法はさまざまなのですが、スピーキングに対する考え方には共通する点が見られました。

本日のブログでは、中学レベルの文法や英単語をある程度習得している方を対象に、海外経験が少なくても、英語が専門でなくても、英語で話せるようになるためのマインドセットについて説明します。

これが、国内で英語スキルを向上させたいと思っている皆さんのお役に立てば嬉しいです。

実例1. 前職の製造技術部長のお話し

まず初めに、私が実際にお会いしたことのある、日本国内でスピーキング能力を向上させた日本人の方々をご紹介します

まず、私が新卒で入社したメーカーの製品技術部長についての話です。

ある日、新製品の販路拡大に向け、日本本社に集結した海外子会社の現地スタッフたちとディスカッションする機会がありました。

その会議には、海外の現地営業スタッフ、日本本社の海外営業部門、そして技術部門のメンバーが参加していました。

新製品紹介の際、技術部門のスタッフが日本語で話すことを、私を含む海外営業部の新入社員がそれを通訳するという形で進行しました。

しかし、技術部門の部長は英語が話せるようで、彼は自ら英語でコミュニケーションをとっていました。

彼の英語は非常に流暢で、簡単な単語を使用しながらも論理的でわかりやすかったため、英語を母国語とするスタッフも含め、全員が技術部長の話に耳を傾け、スムーズに理解し、納得していました。

当時新入社員だった私は、「この人はきっと豊富な海外経験を持っているに違いない」と思いました。

後日、私はその技術部長と個人的に話す機会がありまして、海外経験について尋ねてみました。

すると意外なことに、その方は学生時代を含め、社会人になってからも長期の海外勤務経験はなく、年に2~3回程度、1週間の出張をするだけとのことでした。

ただ、「英語を話す機会は、先ほどの会議も含めてあるので、周囲に迷惑をかけない程度に勉強している」と語っていました。

実例2. ある寺院の住職のお話し

もう一人紹介しましょう。

こちらは日本の、ある寺院の住職の話しです。

この寺院には、様々な国々から観光客が訪れます。

そういった観光客を対応されるのは、そのお寺の住職の方でした。

住職も先ほどの技術部長と同様、使用する英単語や文法は我々が中学校で習うような比較的基本的なものですが、非常に論理的でわかりやすく、地域の歴史や寺院にまつわる話、禅について外国人観光客に対してスムーズに説明しておられました。

また、外国人からの質問にも柔軟に自ら対応していました。

私は当初、彼はインドなど英語を話す地域で修行したのではないかと思っていました。

しかし話を聞いてみると、海外経験は近隣国である中国へ2週間の旅行に行っただけで、それ以外には特にないとのことでした。

彼は完全に日本国内で英語を身につけたとのことで、私は驚きました。

ただ彼は普段から英語の勉強に熱心で、多くの観光客に対応する必要があるため、勉強をしていると話をされていました。

日本国内でスピーキングを向上させてきた人に共通する考え方

上述した2名の方以外にも、日本国内で英語力を向上させた方々に出会ったことがあります。

実際に彼らと個人的に話をし、どのようにして英語を使いこなしているのかを掘り下げてみた結果、以下の5つの共通点が見られました。

  • 考えている日本語をそのまま、英語に直訳しない。
  • 言いたいことを簡単な日本語で考える。
  • 長々とした文章は避ける。
  • 抽象的かつ曖昧な表現を使わない。
  • 知っている英単語や構文を用いる。

これらがどういうことであるのか、例を交えてみていきます。

問1. 「その問題に対する彼の深い洞察力は、我々全員に新たな視点を提供してくれました。」を訳してください。

例えば、ビジネスシーンなどで以下の日本語の文章が頭に浮かんだとします。

  • 日本語:
    • その問題に対する彼の深い洞察力は、我々全員に新たな視点を提供してくれました。

さて、これをどのように英訳しましょう。

もし英語が得意な上級者の方であれば、以下のような英文を作るかもしれません。

  • 日本語:
    • その問題に対する彼の深い洞察力は、我々全員に新たな視点を提供してくれました。
  • 英語:
    • His profound insight into the matter has afforded us all a new perspective.

しかし、さきほどの5つの項目に照らして考えると、まず最初に浮かんだ日本語の原文を以下のように修正します。

  • 元の日本語:
    • その問題に対する彼の深い洞察力は、我々全員に新たな視点を提供してくれました。
  • 修正後の日本語:
    • 彼はその問題をよく知っており、みんなに新しい考え方を教えてくれました。

そして、接続詞が入ると文章が長くなり混乱すると感じる人は、さらに次のように修正するかもしれません。

  • 更に修正した日本語:
    • 彼はその問題をよく知っています。
      彼はみんなに新しい考え方を教えてくれました。

つまり、接続詞を使わずに2つの短い文に分けるのです。

こうすると、どうでしょうか。

最初に思い浮かべた日本語の文に比べて、ずっと訳しやすくなったのではないでしょうか。

英語が得意でない人でも、これであれば英文を作ることができるかもしれません。

ちなみに、修正後の日本語を英訳すると、以下のようになります。

  • 日本語:
    • 彼はその問題をよく知っています。
      彼はみんなに新しい考え方を教えてくれました。
  •  英訳:
    • He knows the problem very well. 
      He has taught us a new way of thinking.

この中に、知らない単語はございますでしょうか。

「ああ、意外と知っている単語ばかりだな」と思われたのではないでしょうか。

このように、初めは難しそうに思える日本語の文章でも、落ち着いてシンプルな表現に修正していけば、英語が得意でない人でも英訳できそうな文に変わります。

問2. 「太陽が地平線の下に沈むと、彼女は深い悲しみに包まれました。」を訳してください。

もう一つ例をご紹介しましょう。

  • 日本語:
    • 太陽が地平線の下に沈むと、彼女は深い悲しみに包まれました。

なにやら小説にでてきそうな一文ですね。

これを英語が得意な方が訳すと、以下のような文ができるかもしれません。

  • 日本語:
    • 太陽が地平線の下に沈むと、彼女は深い悲しみに包まれました。
  • 英語:
    • As the sun dipped below the horizon, a profound sense of melancholy enveloped her.

なるほど。

難しい文章ですね・・・

これを先ほどの5項目に基づいて、考えてみたいと思います。

まず最初、以下のように日本語を変更してみます。

  • 元の日本語:
    • 太陽が地平線の下に沈むと、彼女は深い悲しみに包まれました。
  • 修正後の日本語:
    • 太陽が沈むと、彼女はとても悲しくなりました。

この文を英語に訳すと、以下のようになります。

  • 日本語:
    • 太陽が沈むと、彼女はとても悲しくなりました。
  • 英語:
    • She felt very sad as the sun set.

もし「as」を使うのが難しい場合は、「when」を使っても意味は通じます。

いかがでしょうか。

少し頑張れば、何とかできそうな感じがしてきます。

問3.日経新聞の記事を訳してみる

最後に少し難しいのにチャレンジしてみたいと思います。

以下の文章は「やさしい経済学 - 経済制裁の有効性(9)国際社会に課された責任」という日経新聞のオピニオン欄からの一節です。

経済制裁の有効性(9) 国際社会に課された責任 - 日本経済新聞

  • 日本語:
    • 歴史を振り返っても、経済制裁によって、対象の国家が政策変更したという事例は多くありません。経済制裁の対象となるような行為をする国は、もともと経済制裁による打撃をいとわないからです。

日本語でも難しい・・・

英語が得意な方であれば、以下のような英文を作成するかもしれません。

  • 日本語:
    • 歴史を振り返っても、経済制裁によって、対象の国家が政策変更したという事例は多くありません。経済制裁の対象となるような行為をする国は、もともと経済制裁による打撃をいとわないからです。
  • 英語:
    • Throughout history, there have been few instances where economic sanctions have effectively influenced a change in policy by the targeted state. 
      This is due to the fact that nations subjected to economic sanctions are naturally inclined to endure the economic impact.

こりゃ難しいですねぇ・・・

しかし頑張ってチャレンジしてみましょう。

まず日本語を以下のように修正してみました。

  • 元の日本語:
    • 歴史を振り返っても、経済制裁によって、対象の国家が政策変更したという事例は多くありません。経済制裁の対象となるような行為をする国は、もともと経済制裁による打撃をいとわないからです。
  • 修正した日本語:
    • 歴史を見ると、経済制裁を受けても、国が方針を変えることはほとんどありません。
      それは、経済制裁を受ける国は、ダメージを受けても構わないと考えているからです。

こんな感じでしょうか。

これを基に英訳してみます。

  • 日本語:
    • 歴史を見ると、経済制裁を受けても、国が方針を変えることはほとんどありません。
      それは、経済制裁を受ける国は、ダメージを受けても構わないと考えているからです。
  • 英語:
    • When we look at history, we can see that even when countries are punished with economic sanctions, they don't really change their ways. 
      This is because the countries that get these sanctions are ready to accept the damage.

まだ少し難しいでしょうか。

「sanction」(経済制裁)とか専門用語知らないと作れないですよね・・・

では更に日本語を簡単な形にしてみましょう。

  • 更に修正した日本語:
    • 歴史からわかることは、経済制裁(=お金のペナルティ)を受けても、国はあまり変わらない。彼らはダメージを気にしない。

いかがでしょうか?

これを英訳すると・・・

  • 日本語:
    • 歴史からわかることは、お金のペナルティを受けても、国はあまり変わらない。彼らはダメージを気にしない。
  • 英語:
    • History tells us that countries don't change much, even with money penalties. 
      They just don't care about the damage.

ここまでシンプルにすることができました。

イギリスのネイティブスピーカーに実際に聞いてみたところ、「通じるね」とのことでした。

日本語のシンプル化には、話す内容について熟知していることも必要

ここまで5項目に基づいて伝わる英訳を行ってきました。

この中でも特に日本語をシンプルな形にしていくことがキーになります。

ここで強調したいのは、日本語をシンプルに表現するためには、まず話題となる内容を日本語で十分理解している必要があるということです。

とりわけ、特定の専門分野について話す場合、その分野について日本語で詳しく知らなければ、日本語をシンプルにすることは難しいです。

この点で、分かりやすい説明で有名な池上彰さんの手法は参考になるでしょう。

難しい専門用語でさえ子供でも理解できるように説明できるようになれば、専門分野における日本語のシンプル化が容易になります。

5つの項目を実践してみる

ここまで、お読みいただきありがとうございます。

さて、これまでの内容はいかがでしたでしょうか?

「これなら私にもできるかもしれない」と少しでも思っていただけたなら、大変嬉しく思います。

実際、帰国子女ではない純粋な日本人で英語を流暢に話す人々は、練習の成果もありますが、会話中に先ほど挙げた5項目を素早く頭の中で無意識に整理しながら話していることが多のではないでしょうか。

特によく使う表現や慣れた話題では、考えることなくスムーズに話すことができます。しかし、初めて話す内容や複雑な話題になると、頭をかなり使う必要があります。

そのため、そういった会話の後は疲れを感じることがあります。

この能力は訓練によって確実に向上可能です。

自分が話してみたいことを頭の中で、先ほどの5つのポイントを基に文章を作ってみる練習をしてみてはいかがでしょうか。

最後に再度、さきほどの5つの項目を記載しておきます。

  • 考えている日本語をそのまま、英語に直訳しない。
  • 言いたいことを簡単な日本語で考える。
  • 長々とした文章は避ける。
  • 抽象的かつ曖昧な表現を使わない。
  • 知っている英単語や構文を用いる。

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